17.「本」は、他人の体験を知ることが出来る。

人は、自分の体験しかできません。
他人の体験はできません。
よって、人は他人の
「体験によって学んだ事や気づき、思いや心の動き」
を知ることができないのです。

これを少しでも知ることができるのが、「会話」や「お話を聞く」ですが、
最もしっかりと知ることができるのが、「本」です。
文章なのです。

ムービー(動画)では、人の表情や行動は見えますが、
心の中の動きは描くことができないので、
想像の域をでなくなります。
その点、文章の優れた所は、文章で心の中を描き出すことができるというところです。
その人の書いた「本」は、その人の心の中を知ることができる、
素晴らしい媒体なのですね。

名著作品が映画化されるのを好まない人が少なくない。
それはきっと、名作を名作たらしめている「心の中の描写」が映像では描けず、
映像にすると薄っぺらい印象になってしまうことによって、
文章よりもインパクトに欠けるものになってしまうからでしょう。