28.理性で作った都合の良い成功の方が幻影。

TVで観た、華々しい成功。
本で読んだ、感動的な逆転成功。
そして、理性で考えた成功。
こちらの方が損得勘定的に納得がいくし、気分もいいし、かっこいい。
しかし、そういう成功像の方がMIST(幻影、ミスの最上級と言ってもいい)である。

自分を成功に導くのは、自分の潜在意識だ。
理性や損得勘定を働かせるほどに、潜在意識が弱まる。
潜在意識が導く「本当の成功」から遠ざかってしまうのだ。

怖いのは、自意識(顕在意識)だ。
これが強いと潜在意識の導きが、まるで成功から自分を遠ざけるように感じてしまう。
潜在意識を疑うのだ。

多くの人が失敗に至るのは、
潜在意識が導く道こそが成功道であったのに、
理性で上書きした成功こそ成功だと都合よく考えて、
方向を変えてしまうからだ。

結婚に非常に慎重になっている現代なのに、
5組に1組が離婚、あるいは家庭内破局を起こしているのは、
潜在意識の導きに途中で自意識を介入させ、
「年収」とか「職業柄」とか「実績」とやらを、「自分の年齢」とか「周りの目」とか、
「TVのブーム」とか「上司や親の言葉」という外的要因によって、
「縁」とか「運命」とかにこじつけナットクさせて、結婚してしまうことが原因だ。

だが、当の本人は、もうすでに分かっている。
「これは、心の底から望んだものではない」と。
「だが親や上司が安心してくれるなら、それはそれでいいと都合よく蓋をしている」と。

だから、親や上司の圧力が弱まった時、瞬時にして崩壊するのだ。

人は、本当の思いで生きるか、
さもなくば本当の思いを抑圧して力を発揮させずに生きるか、
そのどちらかしかないということだ、ということを、
恋心やときめきや、勢いや上司・親の圧力がなくなった10年目にして、
ようやく気づく生き物なのだ。