おわりに〜才能があるから踏み出すのではなく、才能を発掘するために踏み出す。

人生を豊かなものにする。
そのための最初の一歩は、こうです。
「豊かになるための才能なんて、ない」。
人生を豊かにするために、才能なんて全く要らないのです。

「才能がないからうまくいかない」、そう言う人は、とかく、
「あいつには才能がある。うまくいって当然だ。羨ましい。
 自分がうまくいかないのは、才能がないからだ。当然の結果だ」
と思って、嫉妬しつつ、自分を正当化する。
嫉妬する時間を全て生産と研鑽に回せば今よりも明らかにはるかにうまくいったというのに。

立ち止まったまま、周りに嫉妬していると、この先ますます動けなくなります。
ここから一歩を踏み出すには、考え方を変えることです。
変える、というか、先人の人生を知って、分かることです。
「才能なんて、1%あればいい」と。
「その1%の才能は、後天的な99%の執念と努力の継続によって、花開くのだ」と。
そう、1のひらめきに、99の努力を加えるのです。

先天的な天才、というのは、実はいないのです。
というのも、脳科学の発達によって、
「知性や才能、記憶や技能といったものは遺伝しない」と判明してきたからです。
天才的芸術家の子孫に天才が生まれやすいのは、
幼いころからその天才的作品に触れる機会に恵まれるという環境があったからに過ぎない、ということなのです。
歴史上、天才と言われる偉人は、みんな「信じられないような天才的努力をしてきた」、という事実から言えば、「天才は、後天的に作られる」ということです。

つまり、生まれ出でた人は、誰だって天才になれる可能性がある、ということに他ならないのです。

あなたの中に眠る、偉大な力。

それは、あなたが花開かせてくれることを、ずっと待っています。

何一つ文句を言わず、静かに、ずっとずっと待ってくれています。

その偉大な力を、花開かせましょう。

自分の内なる扉を開きましょう。

その、扉を開く最後の一歩、そして力を開花させる最初の一歩は、
あなたの手にゆだねられているのです。



0065最初の一歩を踏み出す39のヒント(完)