0101「生きがい」を創造する方法。

0101「生きがい」を創造する方法。


本当はここに立ちたくなかったんです。
というのは、ここに立つならば本音を言わなければならない、そう思っていたからです。
ここに立つことはうれしい反面、つらいです。
では、本音を話します。


最近の自己啓発書はずるい。
それが本音です。
どうずるいのか?
「ノーリスク・ハイリターン」なことばかり書いてあることがです。
つまり理論の域を出ないことです。


理論の域をでないものは、理論におわります。
理論は、現実の今の生身の自分にダウンロードできても、実際活用できないのです。
なぜでしょうか?


現実は「ハイリスクが前提」だからです。
そして「リターンは未確定で変動するもの」だからです。
実質、ノーリスク・ハイリターンの現実における出現確率は、ロト6の1等ぐらいです。


現実の苦しいところは、闘う者が「正義VS正義」というところです。
フィクションや映画、漫画、時代劇などは「正義VS悪」ですから、安心して見られます。
悪は必ず最終的に負ける、そうわかっているからです。
正義が勝つからです。
人気時代劇番組「水戸黄門」でも、黄門様が印籠を盗まれて悪用され、嵌められて処刑される、
なんて話は一度もありませんし、もし印籠を盗まれても最終的には取り返すだろうことが見えているからです。


現実の苦しいところは、双方が自身の正義を持ってぶつかり合うところです。
だから現実は、映画やドラマのようにうまくいかないのです。


だが、正義VS正義というしんどい闘いは、
フィクションや映画における正義VS悪という闘いでは導き出せないある思想を生み出します。
それは「人間とは何か?」という問いかけです。


人間とは何か?
正義VS正義というしんどい闘いにおいて生まれてくるその深き問いかけ。
それを考えることで、もはや正義も悪も超えていける。
人に正も悪もない、と教えてくれるのです。
正すべきは、相手の存在ではない。
正すべきは、お互いの関係なのだ。
存在に間違いはない。
関係に調整が必要なのだ。
ということを教えてくれるのです。


「悪が栄え、正義が悪の奴隷のような今日は、カオスだ」
カオスならば、シンプルに生きることです。
シンプルのいいところは、少なくとも今回の人生1回分は、
揺るがないで歩めることろです。
80年を一つの信念で徹せるところです。


生き切るとは、そういうことだと思います。
たった一つの信念を持ち、そこから生まれる動機に従って行動すること。
それを80年ほど行うこと。
それが生き切るということだと思います。
望まずとも、そういう生き方はシンプルな生き方になります。
そしてシンプルがゆえに迷いがないのです。


シンプルに生きたいと思ってあれこれと迷うから、シンプルになれない。
普通はそう考えるものですが、これは逆なのです。
シンプルに生きないから、迷いが生じるのです。
シンプルに生きれば余計な迷いが生じませんから、ずっとシンプルでいられるのです。


生きがいとは。
生きがいとは、人それぞれでしょうが、
物事は複雑であると知り、その上でなお一つの選択をし、その一つとともに生きること。
その生からにじみ出てくるもの、と言えるでしょう。
つまり前提として多くを捨てているということです。
多くを捨てたということです。


たくさんの知識を得てたくさんの物を持って、その先でそれらのほとんどを捨てる。
これはしんどいことです。
そのしんどさを乗り越えるから、残ったわずかなものが「生きがい」にまで昇華されるのです。
そう、「生きがいを創造する方法」はこうです。
①多くを知る、得る。
②一つ選ぶ。
③残りを捨てる。
④選んだ一つとともに暮らす。


生きがいとは、人生の目的と言い換えてもいいでしょう。
それはゴールではありません。
つまり目標ではないのです。
今日一日の行動のことです。


「夫を支えることが、妻の私の生きがいに、いつしかなっていた…」
そういうことがあるものです。
今までとは逆になったのです。
今までは、タレントである夫の輝きの陰に居た。
夫が病に倒れてから、夫の看病に妻は生きがいを見出したのです。


男性には「ショック療法」が効きます。
ショックを与えるのです。
リスクを与えるのです。
突き放すのです。
男性は突き放されることで、なにくそと踏ん張ります。
失うリスクを回避しようというとき、何かを得ようという時よりも力が出ます。
リスクあるところハングリーありきです。


ハングリーあるところ、パワーありきです。
パワーあるところ、成功ありきです。
結局、突き放されたことに対するリスクから、パワーが生まれ成功したのです。
そして、自らすすんで突き放されることもまた、自分を成長させることにつながります。


成長の高レベル段階では、「自分で自分を成長させるようなきっかけ作りができる」ようになります。
自らすすんで自分にリスクを負わせるのです。
例えば誰もがやらない「社長に自分の意見を直接突きつける」とか。
「社長の意志決定に納得がいかないから、独立して自分が社長になる」とか。
その後うまく折り合っていくところに、成長があるのです。


まず、小さな成功をすること。
手応えを得ることです。
思い込みでもいい。
自信が満ちれば飛べるのです。


進むには、
①恐れない。
②ひるまない。
③とらわれない。
ことが大事。
つまりすべては自分の心の姿勢にかかっているのです。
心が強いこと。
体や頭脳の強さやスキルはその次です。


恐れないためにはどうするか?
知っていくことです。
世の中のこと。
人の心。
自分のくせ。
知れば知るほど頭の中の視野が明るくなっていきます。
明るくなれば、怖さもなくなる。
未知だから怖いのです。
未知でなくすればいいのです。


ひるまないためにはどうするか?
まずは小成功をすることです。
それともうひとつ効果的なのは、「あいつのためなら果ててもいい」そんな存在をつくることです。
あいつのためを思うと、ひるむという選択肢が消滅するのです。


とらわれないためにはどうするか?
大きな視野を持つこと。
と考えるのが普通ですが、実は逆です。
「たった一つのことを見る」のです。
つまり「マイロード」「マイワーク」「マイミッション」を見るのです。
すると、それ以外のことがどーでもよくなります。


後悔は「不履行」からやって来ます。
失敗して後悔するのは足が止まった時のみです。
失敗しても歩みをやめなければ後悔は出てきません。
後悔するひまもないのです。
往々にして後悔は「やらなかった」ことで生まれてきます。
やった後は、失敗だったとしても、
歩みを止めない限り基本的には後悔はないのです。


潔さ。
これも大事です。
心の潔さです。
一発勝負に出る。
負けたらさっと身を引いて一顧だにせず。
実は負けても潔ければ自信がつくのです。
逆に言えば、自信を落とさないためには、負けたときに潔くすることです。


人は言葉で育つのではない。
人は人の背中を見て育つ。
親の背中、リーダーの背中、師の背中で育つのです。
だから、リーダー的立場に立った時、自分に言い聞かせる必要があります。
「自分の背中は、みなを導いているだろうか?」と。
「口でいいことを言っていても、行動が伴っているだろうか」と。
背中で導かないのに口で落ち度を諭すばかりだから、部下が育たないのです。


スキルや年齢は関係ありません。
「気力」、これを失ったら、もういくら力があってもやれないのです。
逆に言えば、気力さえあれば、スキルのなさや年齢はまったくハンデにならないのです。
また気力があればスキルはすぐに身についてくるし、協力者も得られやすい。
気力をいかに保つかが大事なのです。
人生すべての物事において。


0101「生きがい」を創造する方法。(完)