0155内蔵HDD(SATA接続)の増設方法。

0155内蔵HDD(SATA接続)の増設方法。


はじめに〜内蔵HDDと外付けHDDのメリットデメリット。


まず、内蔵型ハードディスク(以下内蔵HDD)とUSB外付け型ハードディスク(以下外付けHDD)のメリット・デメリットを比較してみましょう。

<内蔵HDD>

メリット
・PCに内蔵するので場所を取らない。
・電源コンセントが不要(電源はPCから取ります)。
・壊れにくい。
・安い(1TBで3000円〜6000円)。

デメリット
・持ち運べない。
・設定が少々めんどくさい。
・フォーマット(初期化)が必要。

<外付けHDD>

メリット
・持ち運べる。
・設定不要で即使える(USBメモリと同じ扱い)。
・フォーマット(初期化)不要。


デメリット
・場所を取る。
・電源コンセントが必要。
・壊れやすい。
・高い(1TBで7000円〜10000円)。


私は一昨年、バッファローの外付けHDD1TBを、「コーヒーカップが当たって横倒しになっただけで」壊しました。
物理的破損です。
その特徴として、「うんともすんとも言わなくなる」どころか「キュルキュルキャーキャー言いだす」のです。
で、キュルキュル騒ぎまくる割に、Windows上で全く認識してくれない、と。
これはデータ破損ではなくHDDの物理的破損です。
それでデータ500GBを紛失しました。
HDDの物理的破損の修復は、業者に出すと6万円〜10万円以上します。
高い修理代を払ったあげく、「データ復元不能」もあり得るという。
これは痛いですね。
ですから、外付けはもう、やめ!
今年は「内蔵型1TB」を取り付けることにしました。
これから、「内蔵HDD(SATA接続)の増設方法」を書いていきます。

「安いし場所取らないから内蔵にしたいけど、設定できないから外付けにしようか」という方に、参考にして頂ければ幸いです。
設定は、カンタンなのです。


内蔵HDD(SATA接続)の増設方法。


1.内蔵HDD(SATA接続)を購入します。


・1TBで3000円〜6000円。
・2TBで5000円〜10000円。
価格は、容量よりもメーカーや流通経路によって変動します。


2.付属品を購入します。


SATAケーブル200円。
・HDD用インチネジ200円。(日本規格の「ミリネジ」ではなく「インチネジ」が要ります)
電源ケーブル200円。(たいていの場合、PC内部に余りの電源ケーブルがありますので必要ありません。PCを開けてみて、電源ケーブルの余りの有無を確認してみて下さい)
以上です。
SATA接続は、ドライバCD(インストールCD)など要りません。


3.PCの電源を切り、コンセントを抜いて、カバーを開けます。


4.まず、SATAケーブルをマザーボードSATAコネクタに接続します。


5.購入したHDD(以下新設HDD)をHDDベイにはめ込み、ネジ(2本)で留めます。


6.新設HDD後部に、SATAケーブルを接続します。


7.新設HDD後部に、電源ケーブルを接続します。

PCの電源ユニットから出ている配線の先の、黒くて幅の広い端子です。


8.これで取り付けは完了です。
 

新設HDDが、「SATAケーブルでマザーボードと接続されている」。
及び「電源ケーブルで電源ユニットと接続されている」ことを確認します。

この時、既存のHDD(OSが入っているC:ドライブですね)のSATAケーブルや電源ケーブルが抜けていないかもチェックしましょう。
新設HDDの取り付けに集中するあまり、既存HDDの配線に手が当たってケーブルが抜けてしまう場合もあります。
既存HDDの配線が抜けるとOSが起動しなくなります。


9.PCのカバーを取り付け、コンセントを差してPC本体電源をONにします。


10.PCの電源をONにしたら、Delキーを押し続けて「BIOSセットアップ」に入ります。


BIOSセットアップへの入り方は、PCによって異なります。
DelキーだったりF1キーだったりします。
何のキーを押すとセットアップに入れるかは画面上に表示されていますので、それに従って下さい。)


11.BIOSのメインメニュー画面が表示されます。


BIOSというのは、「ベーシック インプット/アウトプット システム」の略で、マザーボード上に居るプログラムのことです。
PC内の各機器を制御している最も基本的なプログラムのことです。
OS(WindowsMac)も、このBIOSの制御システムや提供情報を使って稼働しています。
でも、BIOSって、何か「バイオハザード」を連想してしまいますね。


12.BIOSメインメニュー内の「Advanced BIOS Features」の項目でEnterキーを押します。


13.Advanced BIOS Featuresメニュー内の「IDE Configuration」の項目でEnterキーを押します。


14.IDE Configurationメニューで、IDE接続されているユニットの認識状況が表示されます。

例えば。
「プライマリーマスター:Hard Disk」
「プライマリースレーブ:CD/DVD」
セカンダリーマスター:Hard Disk」
セカンダリースレーブ:Not Detected」
「サードマスター:Not Detected」
「フォースマスター:Not Detected」
「フィフスマスター:Not Detected」
「シックスマスター:Not Detected」
などと出てきます。
プライマリーとは「第一」の意味。
セカンダリーとは「第二」の意味。
マスターは「主」。
スレーブは「従」。


15.ここで、「セカンダリーマスター:Hard Disk」の項目でEnterキーを押します。


すると「セカンダリーマスターに接続されているHard Diskの詳細」が出てきます。
これが自分が新設したHDDの型番と一致していれば、「認識成功」です。
BIOSつまりマザーボードが、新設HDDを認識しています。
Escキーを3回押して、BIOSメインメニューに戻ります。


16.BIOSメインメニュー内の「Boot Configuration Features」の項目でEnterキーを押します。


17.Boot Configuration Featuresメニュー内の「Boot Device Priority」の項目でEnterキーを押します。


18.すると、Boot(起動のためのアクセス)する順番が表示されます。


例えば。
1.USB
2.CD/DVD
3.HDD
と表示されます。


19.ここで、「3.HDD」の項目でEnterキーを押します。


するとHDDの型番が表示されます。
このHDD型番が、「既存のHDDである(つまり新設HDDではない)」ことを確認して下さい。
新設HDDがここに来ていると、OSが起動しません。

「Boot Device Priority」というのは要するに、「起動OSを探しに行く順番の設定」ということです。
例えば。
1.USB
2.CD/DVD
3.HDD
となっていれば、まずUSBポートにOSを探しに行きます。
そこで見つからなければ、CD/DVDドライブに探しに行きます。
そこで見つからなければ、HDDに探しに行く、ということです。

HDDに探しに来られる際、既存のHDD(OSが入っている方)を先に読まれなければならないのです。
空っぽの新設HDDを先に読まれてしまうと、BIOSは「HDDにもOSがなかった、で、PCは起動できまへんわ」とふてくされるのです。

こうなると、PCは再起動時に、ディスプレイに以下のような表示をしてきます。

「Reboot and Select proper Boot device or Insert Boot Media in selected Boot device and press a Key」

これは簡略するとこうなります。
「やい、てめえ、起動する装置をハッキリさせてから再起動しやがれ。
もしくは、起動ディスクをつっ込んでから何かキーを押しやがれ、ボケ!」
要するに、BIOSが「どこの機器にも起動OSがなくて困っている状態」になるのです。

これで、「りぶーと?ぶーと、ぶーとインサート?」
「ははあ、ぶっといのを、インサートしろってか」
「…って、AV女優かコラァ!」
「日本語でしゃべれコラァ!」
と、キレたところで何も解決しませんのであしからず。

対象がPCであれ、ペットであれ、配偶者であれ隣国であれ。
関係がこじれる原因はいつだって、「相手の言動」ではなく「こちらの理解不足である」ということを忘れないでください。
PCだって、起動したくて一生けん命なのです。
ただ、BIOSも日本語であって欲しいですね。

どうしてBIOSは全部英語なのでしょうか?
全部日本語のBIOSが出てきてもいいと思います。
全部日本語のPCが出てきてもいいと思いますね。
分りやすいですからね。
「さた」「いで」「ゆうえすびぃ」「えっちでぃえむあい」「あいいーいーいー1394」などなど…。
ええい、余計わけ分らんわ!!


20.Boot Device Priorityメニューの中で選択されている「3.HDD」が「既存のHDD(OSが入っている)である」ことを確認して下さい。


これが、内蔵HDD増設のキモであり、内蔵HDD増設における設定の全てです。
これが確認できたら、Escキーを押してBIOSメインメニューに戻ります。


21.BIOSメインメニュー内の「Save&Exit」の項目でEnterキーを押します。


これでBIOSは設定を保存し終了動作に入ります。
PCの電源がブチンと切れ、数秒後に再起動します。
その後OSが起動します。


22.再起動後、OSが起動します。


その後、OSが再び再起動を要請してくる場合もありますが、その場合は再起動します。


23.さて、OSが起動したところで、しかしまだ新設HDDは使えません。


フォーマット(初期化)作業が必要です。
「ディスク管理」から「初期化」を行います。

OSがWindowsの場合は、「スタート→コントロールパネル→システムとメンテナンス→管理ツール→ハードディスクパーティションの作成とフォーマット」と進めます。


24.すると、ウインドウ上側にPC内のHDD全てが一覧で表示されます。(新設HDDはまだ表示されません)


このウインドウの下側に、「不明ディスク(ディスク0)931.51GB 初期化されていません」というものが出てきます。
これが新設HDDです。
ここをクリックした後、画面左上のメニュー項目「ファイル」から「新しいパーティションの作成」を選択します。


25.ウィザードが立ち上がるので、指示に従います。


ファイルシステムを聞いてくるので、「NTFS(初期設定はNTFSになっています)」を選択します。
その後、新設HDDにパーティション(区切り)を設けたい場合はここで設定し、各パーティションの容量を決定します。
(注意:購入したHDDが1TBであっても、PCに実装後、使える領域は930〜950GB程度になります。
 これはUSBメモリ16GBが実際15.2GBしか使えないとか、ワインの「バリック後のエンジェルシェア」(225Lの樫樽満杯でワインを樽熟成しても、熟成後は容量が20Lぐらい減っている(ワイン醸造家はこの現象を“エンジェルシェア(天使の取り分)”と呼び、失って当然のものと認識しています))と同様の現象です。
ですから、ここに文句を言っても始まりません。
パーティションを区切る時は、「1TBでも930GBしか使えない」と考えて、各容量を計算しましょう。


26.ウィザードの指示に従って操作を完了すると、新設HDDのフォーマット(初期化)が始まります。


1TBのHDDなら、初期化に約1時間程度かかります。
その間、PCの操作をしないで気長に待ちましょう。
フォーマットが始まると、ウインドウ上側に新設HDDが登場します。
ウィザード上で新設HDDの名前を設定しなかった場合、新設HDDの名前は「ボリューム」となります。
また、ドライブ名は「Kドライブ」になります。


27.新設HDDのフォーマット(初期化)が始まると、新設HDDのファイルシステムの表示が「RAW」になります。


「RAW?あれ?ウィザードで「NTFS」に設定したはずなのに!」
「やべぇ、設定ミスったかな?何だよRAWって?」
と慌てられるかもしれません。
確かに、エクスメディア発行の「超図解パソコン用語事典(1083ページもある)」にすら、「RAW」なんて単語は出てきません。
しかし、心配は要りません。
フォーマットが完了すると、ファイルシステムはちゃんと「NTFS」になります。
新設HDDをフォーマット(初期化)する際に注意すべき点は、全く別のところに一つあります。


28.フォーマットが完了するまで、PCの電源を落とさないことです。


新設HDDをフォーマット(初期化)する際に注意すべき点。
それは、「フォーマット作業が完了するまでは、PCの電源を落とさない」ことです。
スリープ状態にするのもよくありません(スリープすると、PC内の作業は休止します)。
1TBのHDDのフォーマットは、およそ1時間かかります。
よって、最低でも1時間くらいは、PCをON状態に保つ必要があります。

「画面を右クリック→個人設定→スクリーンセーバー→電源の管理」に入ります。
電源の管理の中で、「PC本体をスリープ状態にする」設定を最低でも「1時間」に変更して下さい。
スクリーンセーバーの開始時間やディスプレイ電源は関係ありませんので、変更する必要はありません)


これで新設HDDの増設方法は終了です。


フォーマット(初期化)に2時間は、長いですね。
しかし、この2時間を「全然長くない」と思うようにする方法は、あります。
それはズバリ、「カレーを作る」ことです(笑)
肉は、牛すじがおススメです。
1時間も煮込むとゼラチン状になって、トロットロになりますからね。


結論「内蔵HDDのフォーマット中は、カレーを作って煮込もう!!」


おわりに〜内蔵なんて、カンタンなんだ。


終わってみれば、こうです。
「なんだ、内蔵HDDの設定なんて、カンタンだったんだ」。

無事にKドライブが誕生した時、私はPCと自分に拍手するとともに、ある知り合いの女性の気持ちが、分かりました。
その女性とは、既婚女性で3児の母のことです。
「あれだけ出産に臆病になっていたのに、第一子出産に命がけで挑んで見事に成功した後、逆に子作りに積極的になって、次から次へとポンポンポンポン出産しちゃった」、子宝に恵まれた、幸せな母親のことです。
そう、「案ずるより産むが易し」ですね。


「内蔵は設定が難しいから」という理由だけで、外付けHDDを買おうとしている方へ。
「内蔵は、カンタンですよ」と、言いたい。
しかも内蔵の方が、安全です。
Do As Infinityの歌「100分の1」のビデオみたく「コーヒーカップの一撃で全部壊れちゃう外付けよりはね」、と。

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0155内蔵HDD(SATA接続)の増設方法。(完)