0195発想者の道へ


0195発想者の道へ


どんな仕事でも同じこと。
企画発想つまり意見が求められている。
それが出てこないからリーダーの意思決定一つでやっていくしかないのだ。
本当はどんどん発想、意見して欲しいのだ。
個人の意見つまり「Iのアイデア」=IDがないから、やっている仕事が作業になってしまうのだ。


イデアはひらめきから生まれるのではない。
日々問題点をとらえる。
そして改善案を考える。
そこからある時、「これだ!」と、上手くまとまる考えが出てくるのだ。
ひらめきから生まれると言うよりも、日々の問題意識から生まれるのだ。


現場にはグチや噂や不満がゴロゴロある。
これこそアイデアのネタだ。
何が問題か?
どうすれば解決するのか?
それを考えるのだ。


イデアもタイミングが必要だ。
というのは、今、会社は大プロジェクトで手一杯。
そんな時には相手にしてもらえないからだ。
タイミングを確認しよう。


考えたらすぐに出す。
これも「こいつはアイデアマンだ」と思ってもらう良い方法。
だがストックして寝かせておくことも大事。
「何かいいアイデアないかね」と部長がぼやく。
つまりニーズが発生している。
その時出せば、グッドタイミングである。


どこへ行くにもテーマを持って行こう。
例えば今、求人しているが、応募がない。
どうしたらいいか?
それを旅先にも、温泉にも持っていくのだ。
その場での気づきと化学反応してアイデアが出ることがある。


第3の場を持とう。
それはプライベートでも公でもない領域だ。
真理に触れられる領域だ。
真理からもアイデアが出る。


ネタは目の前にある。
いいネタを探そうとするのではなくて、目の前の物事にネタを見出すのだ。
つまり観察と編集力と発想力があるからこそ、どこへ行ってもネタが沢山取れるのだ。


直感を信じるかどうか。
直感による「Aプラン」が出た。
Aプランは美しいだろうかと考える。
どこかぎこちない。
美しさがない。
そういう時、往々にして「Aプラン」は見送り(保留)になる。
採用されない。


正論でも通らない。
人は論理のみでは乗らない。
正義感でも通らない。
人は美しさを大事にする。
つまり美的センスだ。


嫌な事もしてみよう。
こんなことはしたくないと常々思っていることをしてみるのだ。
未知のことには気づきが多い。
やってみてよかったとなることが多い。


快感を求めよう。
しかも半端ではなく、貪欲に。
快感を得ると脳が活発になる。
快感の後、どんな気持ちになり、どんな行動に走るかがわかる。


上司と喧嘩しよう。
上司に噛みつくのだ。
そして、見放されたら儲けものだ。
怒りエネルギーと自由度で企画書がバンバン出せる。


もちろん嫌われたら企画はほとんど通らないかもしれない。
だから企画を出すのもしんどいことだ。
嫌になってくる。
無駄なことをした上に、さらに無駄な事をしていると思うようになる。
やがて社外に目と心が行くようになる。


会社を突き抜けた企画を出せるようになる。
つまり、社会の人々のための企画だ。
こうなって初めて気が付く。
「会社とは社会貢献の手段として存在する、人の集まりなのだ」ということに。


有能と言われないようにしよう。
というのは、素人発想を自分でストップしてしまうからだ。
無名有力で行こう。
「その低姿勢。だから有能だと言うんだ」と言われ始めたら、「持病の○○で」と欠勤の一つでもして見せよう。


プロを目指していく。
だが、プロになると素人発想ができなくなる。
できたとしても発揮できなくなる。
プロの作品は中庸になっている。
つまり、バランスがとれていて、多くの人がいいねというようなものだ。
ここに欠けているものがある。
欠けているというか、そぎ落とされたもの。
モーレツなPASSIONだ。


通したい企画があるなら、「通さない企画」とセットで出すのだ。
通さない企画とは何か?
①馬鹿なアイデア
②ありえねーアイデア
③怒らせるアイデア
これをつけて一緒に出すのだ。
無論、通したい企画はまじめに考えたものにする。


企画が通ると嬉しい。
だが、そこで気がつく。
「通って会社が変わった。それが何だというのだ」。
会社に企画を通すのは目的ではなく、ステップでしかなかったのだと。


チャラチャラしよう。
よなよな出歩こう。
10代のすることを、してみる。
派手な服を着る。
ナンパもしてみる。
深夜のマクドナルドで、食べまくってしゃべりまくってみる。
「なぜそれが流行るのか?」
それはやってみないとわからない。


自分のやりたいことを持とう。
会社の仕事と全く関係ないことのほうがいい。
それが会社の仕事と化学反応を起こすのだ。
仕事一筋では持てない視点を持った企画が生まれる。


一流に学ぼう。
一流の技を真似してみよう。
真似し尽くしても、にじむ個性がある。
それで初めて個性が使いこなせるようになるのだ。
強み、オリジナリティーわかるのだ。
一流の真似をするのは、早くに上達するためだけではなく、個性をドリップ(抽出)するためでもあるのだ。


「盗み耳に妙案あり」。
インタビューしに行くと、本音は隠されてしまうのだ。
雑談の中に入るのではなく、傍らでこっそり聞く。
ここに本音が出ていることが多い。


女性同士はよく会話する。
休憩室に2人の女性メンバーが入ると大騒ぎが始まるのだが、これが3人になると、火力発電所並みのエネルギーが発生する。
そこに男性が1人入ると、一瞬で焼却処分される。
もしくは盛り上がる、が、本音は消されてしまうのだ。
本音を聞きたいなら、その場に入らないで、「壁耳」の方がいい。


セレンディピティ(気づく力)。
目の前の物事を発明だと気づく力。
セレンディピティを活発にするためには。
仕事と全くかけ離れた遊びの世界を持つことだ。


発明のプロセス。
①好奇心を持つ。
②熱中して研究する。
③①と②の継続。
そのサイクルだ。
結果がバンバン出てくる。
にじみ出てくる。
出そうとしなくても出てくる。
その中に、「おっ!」というものがある。


面白いという企画は、面白い企画を作ろうという意図でスタートしたものではない場合が多い。
楽しくやっていて、ある時ふっと「これをちょっとこうしたらこんなものになるな」、と加工され仕上がってしまったものだ。


発想することは自分の役に立つのだ。
自分を状況に飲み込まれないようにする工夫の一つである。
言わば川の中に立っているような行為が発想だ。
何も考えなくなると、逆に楽になるが、それは飲み込まれた状態であり、ここで発想はもうできない。
言わば川の流れに流されているような状態だ。


ボツになってしょげるのは、「自信がある良いものを出したのに!」という気持ちが強いからだ。
100件出そう。
或いは「現状報告」のつもりで出そう。
そこに良いもクソもない。
だからボツになっても何ともない。


ボツになり続けよう。
ある重大な発見がある。
「自分には才能がない」という発見ではない。
「結果に目を向けていると苦しい」という発見だ。
発想することそのものに目を向けると急に楽になる。


発想すること自体を目的にする。
すると仕事のとらえ方も変わる。
仕事中に発見や気づきを見出そうと考えて、あれこれやってみるようになる。
そして人と話をするようになる。
それで仕事にもやりがいが出てくる。


発想行為そのものを目的にすると、発想から緊張感が消える。
そして「どうだ!」という「これ見よがし」感も消える。
淡々とした発想になる。
実はこういうものの方が評価されやすい。


発想を目的にする。
もはや結果などどうでもよくなる。
そのころになって採用されるようになる。
ただもはや採用されても、あまり喜びもない。
採用されたいと思っていないからだ。
そういう姿を周りの人が見て、「あの人は謙虚だ」と思ってしまうのだが。


0195発想者の道へ(完)